シンプルな美容に徹して、スキンケアコスメもシャンプーもやめるとしたら、固形の純石けんをおススメします。石けん素地(油脂・水酸化Na・水)だけを成分とするのが純石鹸。私が美容記事を書き始めるきっかけになったのが、あれこれ試してきた純石鹸の比較です。今回は世界で年間500万個以上も使用されているというオーガニック石けん「ナーブルスソープ 」の使い心地をレポートします。
- 正統派の石けんはパッケージの裏を見て選ぶ
- 10世紀のパレスチナから英国エリザベス1世に伝わった石けん
- ビギナーはオリーブオイルのみの石けんから始めよう
- ナーブルスソープの効能は純石けんとして当然なこと
- 洗顔後に何も付けず1時間放置した肌の状態
- ナーブルスソープが他の石けんに勝る付加価値は?
- ナーブルスソープは星4つから4.5に格上げ
- 追記:使って5カ月目に突入
- 追記:2019年3月29日
正統派の石けんはパッケージの裏を見て選ぶ
今から2年ほど前、私は構いすぎてきた肌をリセットするために、皮膚科の先生に従って「肌断食」を行いました。スキンケアは純石鹸での洗顔だけで、化粧水も何もつけない我慢を続けたのです。毛穴の目立つゴワゴワ肌からスベスベ肌になるまで、つらい忍耐の日々でしたが、透明感がよみがえり、今ではいろんなコスメを楽しめる元気な肌に戻っています。
そのときの経験を踏まえて書いたのが下の記事。「純石鹸 毛穴」でGoogle検索すれば、上位に出てくると思います。正しい石けん洗顔の方法について書き、石けん洗髪についてのリンクも貼ってあります。売るための宣伝ページではありません。
そして界面活性剤やシリコンが入っているシャンプーをやめて、固形石鹸での洗髪に至ったいきさつと、正しい石鹸シャンプーの方法については、下の記事に書いています。
固形石鹸を選ぶとき、私は必ずパッケージの成分を確認します。歴史のある国産の石けんでも、下の画像のような香料入りの「化粧石けん」は買いません。
下の画像は「ナーブルスソープ/ナチュラルオリーブ」のパッケージ。成分はオリーブ果実油・水酸化Na・水だけです。水酸化Naは「ケン化」と呼ばれる加水分解に使用する成分で、石鹸作りに必要不可欠な成分です。
成分を見ると純石鹸であることは一目瞭然です。
純石鹸
JIS(日本工業規格)では、成分が純石鹸分(脂肪酸ナトリウムや脂肪酸カリウム)が98%以上を占めるものを言います。あとの2%は製造過程で生まれる不純物となります。
天然の油脂を、水酸化ナトリウムを使って加水分解することで得られた脂肪酸ナトリウムは「石けん素地」、脂肪酸カリウムは「石けんカリ素地」と呼ばれています。
10世紀のパレスチナから英国エリザベス1世に伝わった石けん
「ナーブルスソープ」は2017年12月12日から日本での発売が開始されました。なぜ今まで知られていなかったのか不思議ですが、 アメリカ・カナダ・イギリス・フランス・ドイツ・イタリア・スペインほか欧州各国、 韓国、マレーシア、台湾など、全世界で年間500万個以上使用されている有名な石けんです。
ナーブルスソープ ナーブルスソープ(ナチュラルオリーブオイル)オーガニック・ヴィーガン洗顔&ボディー石鹸 オリーブオイルの香り 100g 洗顔料 アットコスメ 価格:1,518円 |
石けんの起源は紀元前3,000年のメソポタミア。灰と油を混ぜたものを、織物の洗浄に使っていました。その製法が世界へ広がっていき、「ナーブルスソープ」は10世紀にパレスチナのナーブルスで家庭用に女性の手で手づくりされていたのが始まりとされています。
私が愛用しているアレッポの石けんは12世紀ごろ、オリーブオイルとローレルオイルを混ぜて、アラビア語で「サボン」と呼ぶものを製造するようになったのが始まりだそうですが、それよりも前なのですね。
元祖「ナーブルスソープ」は遊牧民によって地中海へと広まり英国へ。エリザベス1世に愛用されました。1611年には石鹸一族として有名なTubeileh家ナーブルソープカンパニーを設立し、先進国向けに開発した新規格のオーガニック石鹸が「ナーブルスソープ」なのです。
ビギナーはオリーブオイルのみの石けんから始めよう
天然植物由来のオーガニックソープは基本的に消費期限がありません。私が使ってきたアレッポの石けん、マルセイユ石けん、アルガン石けん、ガミラシークレット等には、オリーブオイルだけがベースのものや、そのブランドなりの植物オイルを加えたものがあります。
「ナーブルスソープ」からも、死海の泥、タイム、ぶどう、アボカド配合の石けんが出ていますが、最初に試すべきはベーシックな「ナチュラルオリーブ」だと思います。オリーブオイルには抗酸化作用の高いポリフェノール・オレイン酸・ビタミンEが豊富に含まれ、肌荒れの改善や殺菌、保湿、老化防止などの効果があると言われています。
ビギナーはなぜオリーブオイルのみの石けんから始めるべきか。それは美味しい塩選びをするのと似ています。調理で使う塩の基本は天日塩(天然塩)ですが、スーパーの棚に並んだ商品を比べると、製造過程で成分調整を行ったもの、あとからミネラルを加えたもの、旨味成分を加えたものなど多種類に及びます。
仮に旨味成分がプラスされた塩を使った場合、出汁や醤油とともに調理したあとで、その味は塩本来の美味しさから生まれた味か、それとも出汁や醤油が醸し出した味か、食べてみても分かりません。天日塩(天然塩)のみでどれだけ美味しいかを知らないと、自分が目指す味は作れないのです。
オーガニック石けんも同様で、基本となるオリーブオイルの良し悪しで効果が分かれます。ニキビを治そうとして、他の植物性オイルやハーブが加わってるものを使用して万が一にも悪化したとしたら、どの成分の影響かを突き止める手間がかかります。オーガニックだから全てが善なわけでなく、人によってはアレルギーを起こすものだってあるからです。
実際に私も「肌断食」は、オリーブオイルのみの「マルセイユ石けん」からスタートして、トラブルが起きないことを確認してから、次にローレルオイルが配合された「アレッポの石けん」へと進みました。私たちの肌は人それぞれ個性があって繊細なので、まずは安全性の高いシンプル&ベーシックなものから始めることをおすすめします。
ナーブルスソープの効能は純石けんとして当然なこと
たいていのコスメの宣伝ページには「お客様満足度○○%」と、高いパーセンテージが謳われています。
ナーブルスソープのランディングページを見ると「98%のユーザーが継続して使いたいと回答しています」と載っていますが、下記の回答内容は「香りに癒される」以外は、純石けんであれば全てに共通する当たり前のことだと思うのです。
- 洗いあがりはさっぱり、そのあとしっとり保湿される。
- 保湿ローションを塗らなくても、しっかり保湿されるようになった
- 体臭が気にならなくなった。
- これ1個で全身に使えるのでリーズナブル。
- 乾燥の痒みが取れた。
- 毛穴が引き締まった。(イチゴ鼻が目立たなくなった)
- 全体的に肌のトーンが明るくなった。
- 香りに癒される。
化学物質過敏症の私は「香り」が入っているものは苦手なのですが、ナーブルスソープは人工香料一切無添加なので、鼻がムズムズすることはないでしょう。
無添加についても引用しましたが、石けん素地100%の純石けんでは、別にナーブルスソープに限らず当然のことです。
合成界面活性剤 石油由来原料不使用
無着色
無香料
無鉱物油
界面活性剤不使用
ノンアルコール
パラベン フリー
旧指定成分無添加
化学合成防腐剤
酸化防止剤
発泡剤
金属封鎖剤
着色料
人工香料一切無添加
高額な広告宣伝費をかけた派手な宣伝に惑わされず、本当にその値段に見合った価値があるかどうかを見極めなくちゃいけません。
洗顔後に何も付けず1時間放置した肌の状態
これまで使ってきた純石けんと比較すべく、ナーブルスソープの「ナチュラルオリーブ」を購入して試しました。
マルセイユ石けんオリーブ200gはAmazonで972円。口コミ評価の高いアレッポの石けんは、楽天で190gが268円で売っているのですから、100g で1,490円(税抜)のナーブルスソープはかなりお高い石けんです。どこが違うのかを確認したいと思います。
泡立ち
ネットを使用して泡立てました。ツノが立つこんもりとした白い泡は、柔らかくて気持ちいいです。
ただし他の純石けんと比較して、大差ありません。泡立てネットを使えば大量生産の安い石けんでもこの程度の泡は立ちます。
香り
作った泡で洗顔しました。石けん素地そのままの香りなので、私は慣れていますが、人によっては臭いと思われるかもしれませんね。でも泥臭いアレッポの石けんに比べたらかなりソフトだと思います。純石けんビギナー向き。
使用直後の感想
泡を肌に乗せるとふんわりとして、汚れを吸着していくのを感じます。石けん洗顔の基本は擦らないことなので、手に溜めたぬるま水を動かすようにして肌を洗いました。タオルでそっと水分をぬぐったあとの爽快感はたまりません。石けん洗顔の何よりもメリットである「清潔感」を充分に感じました。
使用後1時間の感想
洗顔後はしっとりしていましたが、数分でつっぱった状態になりました。でも手で触るとツルツル、すべすべ。スキンケアコスメは一切使わずに、1時間放置した結果はだんだん潤いが戻ってきて、肌の透明感が引き立っています。冬だからかもしれませんが、毛穴の開きはなくて引き締まっています。
美容ブログをやっている私は、あれこれコスメを試しているため、肌が潤いを欲する状態になっています。「肌断食」を終えた直後はそのまま放置していても、肌の奥から出てくる天然オイルで潤っていたのですが、今は何か付けないとつっぱるのは、肌がコスメに甘えてしまった結果なので致し方ありません。
ナーブルスソープが他の石けんに勝る付加価値は?
洗顔後2時間が経過しました。他の純石けんと比較して、とりわけ優れた点は分からないというのが正直な感想です。笑えばシワが寄りますし、もちろんシミが消えたりはしません。
それでも他と違うと思ったのは、毛穴の引き締まり方。気になっていた小鼻の脇の黒ずみが取れて、開いていないのは嬉しいですね。そしてもうひとつ、近ごろ不摂生をして顎にできていた吹き出物のじゅくじゅくが目立たなくなりました。
使用感以外でナーブルスソープの付加価値は下記の2つ。これは素晴らしいことです。
ECOSERT(エコサート)認証
フランスに拠点を置く世界最大規模の国際オーガニック製品認証機関であるエコサートに認証を受けています。エコサートにはより厳しい基準の「ナチュラル&オーガニックコスメ」と「ナチュラルコスメ」の2種類があり、ナーブルスソープは両方を取得しています。他の純石けんにはない素晴らしい価値だと思います。
FAIRTRADE(フェアトレード)認証
開発途上国の生産者が暮らしていけるように、働く環境と経済をサポートするのがフェアトレード認証。裕福な人がより裕福に、貧しい人がより貧しくなるといった、不公平な社会システムをなくし、誰もが人間らしい生活をできるように目指しているナーブルスソープカンパニーは、その売り上げを応援したいと思います。
ナーブルスソープは星4つから4.5に格上げ
固形純石けんにはずっとこだわりを持ってきたので、ナーブルスソープだけを褒めることはできず、正直な感想を書きました。でも毛穴ケアや吹き出物の殺菌にすぐれた効果を発揮したこと、エコサート認証・フェアトレード認証を取得していることを鑑みると、ナーブルスソープには星4つを付けたいと思います。
なぜ星が5つでないかというと、グラム数にしては値段が高いこと、あと1カ月使ってみないと本当の効果は分からないこと。そして他のラインナップも試してみたいからです。
使用しているバージンオリーブオイルが優れた品質なことは感じ取ったので、次はエイジングケアを目指して、ぶどうかアボカドあたりを試してみたいと思っています。大好きでたまらない純石けんですから、このブログでも応援は続けていきますよ。
追記:使って5カ月目に突入
1カ月使ってみないと本当の効果は分からないと宣言してから、なんと4カ月以上もナーブルスソープに「はまって」しまいました。バスルームにはバージンオリーブオイル、洗面台にはぶどう。しっとりと吸い付くような肌に変化してきたのに感動して、こればかり使って、ついに5カ月目に入っています。
星4つから4.5に格上げです。星5つにしないのは悔しいから(笑)
サイズが小さいなんて悪態をつきましたが、思ったよりも無くなりません。私は1人で使うので、2カ月持ちました。香りにも慣れて、固形純石けんならではの良さを満喫しています。ホント、スキンケアコスメの原点ですね。
ナーブルスソープ ナーブルスソープ(ナチュラルオリーブオイル)オーガニック・ヴィーガン洗顔&ボディー石鹸 オリーブオイルの香り 100g 洗顔料 アットコスメ 価格:1,518円 |
エイジングケア向けの「ぶどう」は洗面所に常備しています。これで洗ってからビタミンC誘導体入り美容液を使うと、毛穴の引き締まり方が全然違います。
追記:2019年3月29日
さらに進化!全てのラインナップを使った結果、髪と肌のエイジングケアに、いちばん気に入っているのが「ダマスクローズ」です。
クレオパトラが愛したダマスクローズはバラの女王であり、抗菌作用・保湿作用・エイジングケア効果があることで、高級コスメの原料として使われています。ブルガリア産ダマスクローズのローズオイルは約2600本から1gしか取れない非常に貴重な成分なのです。
ナーブルスソープ ダマスクローズの特徴
95% ヴァージンオリーブオイル 5% ダマスクローズオイル
整肌・リラックス・体臭・加齢臭・殺菌成分・ターンオーバーの乱れをケア・エイジングケア・天然保湿成分
価格:1,639円 |
ダマスクローズを使い続けた髪と肌の様子は、下のファッションブログに載せていますのでご覧ください。アラ環でもスッピンでいけてます。