健康食品だけでなく、コスメの世界でも菌活が盛ん。お米と醸造発酵の力を組み合わせることで生まれたライスパワーエキスは現在36種類も開発されています。中でも注目株は「ライスパワーNo.11」。
お肌の内側でセラミドを作り出し、水分保持機能を改善する成分として、日本で唯一医薬部外品に認定されています。この有効成分を配合したエイジングケアコスメ、KOSEの「米肌トライアルセット」をレビューします。
- ライスパワーの先発コスメは使用経験あり
- お肌の保湿に最も重要な成分はセラミド
- 補うのでなく作り出したいセラミド
- ライスパワーNo.11では後発のこだわりがあったKOSE
- 米肌トライアルセットを2週間使いました
- 化粧水は「ライスフ〇〇ス」より効果を感じました
- ライスパワーNo.11を補足する成分
- 臨床試験では4週間で効果
ライスパワーの先発コスメは使用経験あり
私がライスパワーNo.11の入ったコスメを使うのは2回目です。10年ほど前だったか、運転中にラジオショッピングで初めて耳にした「ライス〇〇〇ス」が気になって、その場で道路の端に車を止め、化粧水・美容液・クリームのトライアルセットを申し込んだことがあるのです。
肌がもちもちになるのが気に入って、本製品を2サイクル使いましたが、使い続けているうちに最初ほどの効き目が無くなって、継続をストップしました。
それ以降は他の製品にあれこれ手を出して、やがて石けん洗顔だけの肌断食へ。年齢肌が気になりだした今こそ本当に適したコスメを選びたいので、気になるアイテムを片っ端から試しながら、レビューを書いているのが現状です。
お肌の保湿に最も重要な成分はセラミド
「米肌 」をレビューするにあたり、知りたいのは「なぜセラミド」でなきゃいけないのか。お肌の保湿のために重要なのはコラーゲンとヒアルロン酸、そして何よりもセラミドが水分保持にいちばん大きな役割を果たすんだそうです。
下の画像は肌の断面図ですが、セラミドが存在している場所は「角質層」。表皮のいちばん上にある、わずか0.02mmの層です。
角質層の細胞と細胞との間で、スポンジのように水分を抱え込んでいるのが「細胞間脂質」。それを構成する成分がセラミドです。セラミドが豊富で、構造の整った細胞間脂質を持つ肌は、水分が過剰に蒸散するのを防ぎ、NMF(天然保湿因子)が持っている水分を挟み込んで保持します。
セラミドが減少して、細胞間脂質の構造が乱れた(キメが乱れた)肌は、カサカサとしぼんだ状態になります。
補うのでなく作り出したいセラミド
セラミドは肌に元来ある天然成分ですが、歳をとるごとに減少していきます。生まれたときは100%だったセラミドは20代を境に減少し始めて、50代では半分の量に減ってしまいます。セラミド配合のコスメで肌の上から補っても、奥まで浸透することはないので、その場しのぎでしかありません。
セラミドの減少は加齢以外にも、紫外線を浴びること、クレンジングでゴシゴシ肌をこすること、熱いお湯で洗顔すること、身体の冷えによる血行不良など、日々の生活の中に要因があります。
加速化する減少に歯止めをかける一番の方法は、肌の内部でセラミドを産生すること。サポートする有効成分としてはハトムギ種子エキスやユーカリエキスなどがありますが、医薬部外品として厚生労働省から認可されている成分は「ライスパワーNo.11」だけです。
ライスパワーNo.11では後発のこだわりがあったKOSE
「ライスパワーNo.11」を研究開発したのは、安政元年創業の「勇心酒造」という香川県の作り酒屋です。長年培ってきた「醸造発酵」の技術に最新の科学を掛け合わせ、微生物がもともと持っている力を最大限に引き出すことができる「日本型バイオ」技術を開発しました。
そこから生まれたのがライスパワーエキスで、平成元年に皮膚を健やかに保つ入浴液「ライスパワーNo.11」を開発。平成7年に開発された「ライスパワーNo.11」は「皮膚水分保持能の改善」効果で、平成13年に厚生労働省から認可が下りました。
しかし厚労省が承認した基準を満たすには、「ライスパワーNo.11」の配合量を一定量以上にしなくてはなりません。ところが商品化するのに非常に難しい成分であったため、勇心酒造がOEMを託せる会社は僅かでした。先発は「ライスフ〇〇ス」です。
次に委託を受けたKOSEは長年の研究技術を結集して、アイテムごとに何度も配合比率を変える方法を試みました。良い成分でも処方が悪いとなじみが悪く、肌にきちんと浸透されないので、相当な苦労をして今の処方に至ったのだとか。「ライスフ〇〇ス」の後発として、大手化粧品会社の意地とこだわりがあったのかもしれません。
米肌トライアルセットを2週間使いました

今回届いた米肌トライアルセットは、5点セットで1,389円(税抜・送料無料)です。14日間分だそうで、左から「肌潤石鹸」、「肌潤化粧水」、「肌潤改善エッセンス」、「肌潤クリーム」、そして「肌潤化粧水マスク」(非売品・1回分)です。
パッケージに載っている使用方法に従って試しました。
肌潤石鹸
泡立てネットを使わなくても、もこもこの泡ができるのでビックリしましたが、石油系界面活性剤は入っていません。顔に乗せると息苦しいくらい濃密な泡です。洗い流したあとも、ふんわりした感触が続きます。
肌潤化粧水
ボトルを見たところ、医薬部外品の記載はありませんでした。「ライスパワーNo.11」は配合されていますが、比率の問題でしょうか。
【肌潤化粧水の成分】
有効成分:ライスパワーNo.11(コメエキス)
その他の成分:水・BG・エタノール・グリセリン・ジグリセリン・グリコシルトレハロース・コメエキス・ダイズ発酵エキス・ビフィズス菌発酵エキス・EDTA-2Na・イソステアリン酸PEG-50水添ヒマシ油・オクチルドデカノール・キサンタンガム・クエン酸・チオ硫酸Na・リン酸2Na・加水分解水添デンプン・乳酸Na・メチルパラベン
500円玉大を手のひらに取って肌になじませると書いてあります。傾けるとドボドボッと出てくるので、注意が必要。美容液みたいな濃さで、少しとろみがあります。肌にジワジワ入っていく感じが心地よくて、次に進む前にしばらく時間を置きました。
つけた直後に鏡を見ると、キメが細かくなって毛穴が目立たなくなっています。医薬部外品じゃなくても、肌への浸透度は高いですね。これは久々の大ヒットです。
肌潤改善エッセンス(医薬部外品)
米肌シリーズではメインの医薬部外品。ライスパワーNo.11の配合量に期待できます。
【肌潤改善エッセンスの成分】
有効成分:ライスパワーNo.11(米エキスNo.11)
その他の成分:精製水・ 1.3-ブチレングリコール・濃グリセリン・エタノール・セトステアリルアルコール・ dl-α-トコフェロール・オレンジ油・グリコシルトレハロース・水添デンプン分解物混合溶液・ビフィズス菌エキス・納豆エキス・アクリル酸ナトリウム・アクリロイルジメチルタウリン酸ナトリウム共重合体/イソヘキサデカン/ポリソルベート80 ・エデト酸二ナトリウム・クエン酸・チオ硫酸ナトリウム・バチルアルコール・ベヘニルアルコール・ポリオキシエチレンコレステリルエーテル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、メチルポリシロキサン・リン酸一水素ナトリウム・水素添加大豆リゾリン脂質、乳酸ナトリウム液・無水エタノール・流動パラフィン・フェノキシエタノール・メチルパラベン
角質層の奥まで集中的に浸透するそうで、即効性がありそうな気配。これをつけることでセラミドが内部で産生されるのですね。ただし化粧水でかなり潤っているので、どれだけ浸み込んだかはよく分かりませんでした。
肌潤クリーム
これも医薬部外品ではありませんが、「ライスパワーNo.11」はちゃんと入ってます。
【肌潤クリームの成分】
有効成分:ライスパワーNo.11(米エキスNo.11)
その他の成分:水・BG・メドウフォーム油・グリセリン・スクワラン・トリエチルヘキサノイン・セテアリルアルコール・グリコシルトレハロース・コメエキス・ダイズ発酵エキス・トコフェロール・ビフィズス菌発酵エキス・EDTA-2Na・エタノール・キサンタンガム・クエン酸・ジメチコン・ステアロイルメチルタウリンNa・チオ硫酸Na・ベヘニルアルコール・リン酸2Na・加水分解水添デンプン・水添レシチン・乳酸Na・フェノキシエタノール・メチルパラベン
真っ白なクリームをパール1粒分、おでこ、鼻、両頬、あごに置いて延ばしました。化粧水とエッセンスで充分すぎるほどうるおっているので、トゥーマッチな感じもしますが、肌に蓋をする役目として必要みたいです。
化粧水は「ライスフ〇〇ス」より効果を感じました
2週間使用したのが下の写真。肌がふっくらして、頬にハリが出ました。水分保持の機能だけかと思っていたら、肌が白くなっています。セラミドが増えるとターンオーバーが正常化するそうですが、メラニンが排出されたのでしょうか。それにはちょっと早すぎるかも。でもこれならファンデは要らない気がしてきました。
使用した4アイテムのうち、KOSEとしては医薬部外品の肌潤改善エッセンスがイチオシなのでしょうが、私としては肌潤化粧水にいちばん効果を感じました。記憶の限りでは「ライスフ〇〇ス」よりも上だと思います。「ライスパワーNo.11」の配合比率はアイテムごとに違うとは言っても、化粧水はベストな配合だと肌が実感しました。
ライスパワーNo.11を補足する成分
セラミドの産生にプラスして、NMFや皮脂膜に働きかける成分も配合されています。
ビフィズス菌発酵エキス NMF(天然保湿因子)を補う
大豆発酵エキス 肌を包み込んでうるおいをキープ
乳酸Na 角質深部の保湿をサポート
グリコシルトレハロース 空気中の成分まで取り込んで、乾燥・紫外線から保護
臨床試験では4週間で効果

「米肌トライアルセット」は、化粧水をうっかりドボドボッと出さない限り、ちゃんと14日間使える量が入っていました。これで1,389円はかなりお得でしょう。
私は乾燥肌ではないので、うるおいに関しては充分すぎるほどでしたが、キメと毛穴は予想以上の改善ができたと思います。他のコスメに浮気しなかったのは、化粧水をつけた直後に現れる効果が楽しかったから。
残念なことにその状態がずっと続かなかったのは、やはり1か月ぐらいは使い続けなきゃダメってことなんでしょうね。KOSEの説明を見ると、臨床試験では4週間の使用で効果が見えたと書いてありました。「効果」という言葉を使えることが許された商品に、信頼を寄せたいと思います。
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